二次方程式の利用(文章問題)について、さまざまなパターンの解き方をまとめておきます。
二次方程式の文章題で、解き方に迷ったときにはこの記事を参考にしてください。
二次方程式の解き方につていは、こちらでまとめています。
>【二次方程式の解き方まとめ!】中学数学で学習する計算やり方を解説!
ご参考にどうぞ!
この記事を通して以下のことが理解できます。
- 二次方程式の利用の解き方手順
- さまざまなパターンの文章問題の解き方
自然数についての利用問題
連続する3つの自然数がある。大きい方の2つの数の積が、3つの数の和に等しいとき、この3つの自然数を求めなさい。
連続する3つの自然数とは、このように1つずつ数が増えていく関係にあります。
だから、一番小さい自然数を \(x\) とすると
このように表すことができます。
それぞれの自然数を文字で表すことができれば、あとは式を作るだけ!
大きい方の2つの数の積とは、\((x+1)(x+2)\)
3つの数の和とは、\(x+(x+1)+(x+2)\) と表せるので
$$(x+1)(x+2)=x+(x+1)+(x+2)$$
このように二次方程式をつくることができます。
この二次方程式を解くと、\(x=1,-1\) となるのですが
問題文より、\(x\) は自然数とあるので \(x=-1\) は不適となります。
よって、\(x=1\) となります。
つまり、一番小さい自然数である \(x\) が1ということなので、他の自然数は2、3だと分かります。
答え
$$1, 2, 3$$
練習問題はこちら
>方程式練習問題【二次方程式の文章問題~自然数、整数について~】
図形面積の利用問題
長さ28㎝のひもで長方形を作り、面積が48㎠になるようにしたい。このとき、長方形の縦と横の長さを求めなさい。
長さ28㎝のひもで長方形を作ると、縦と横の長さを合わせると半分の14㎝になるということが分かります。
すると、長方形の縦の長さを\(x\)㎝とすると、横の長さは\((14-x)\)㎝と表すことができます。
よって、長方形の面積は \(x(14-x)\) と表せるので
$$x(14-x)=48$$
という二次方程式をつくることができます。
この二次方程式を解くと、\(x=6,8\) となります。
縦が6㎝の場合、横は \(14-6=8\)㎝となり
縦が8㎝の場合、横は \(14-8=6\)㎝となります。
どちらも問題の条件にはあっているので、このように2パターンの答えが考えられますね。
答え
$$縦:6㎝ 横:8㎝$$
$$縦:8㎝ 横:6㎝$$
練習問題はこちら
>方程式練習問題【二次方程式の文章問題~図形面積について~】
花壇の道幅を求める利用問題
縦15m、横18mの長方形の形をした土地に、同じ道幅の道路をつけて、残りの土地を花壇にしました。花壇全体の面積が180㎡であるとき、道路の道幅を求めなさい。
道幅の問題では、道を端に移動させてから面積を考える!
道路の道幅を\(x\)mとし、道路を端に動かして考えると次のような図になります。
すると、花壇全体の面積は、横\((18-x)\)、縦\((15-x)\)の長方形と考えれるので
$$花壇全体の面積=(18-x)(15-x)$$
このように表すこととができます。
よって、方程式は \((18-x)(15-x)=180\) となります。
この二次方程式を解くと、\(x=3,30\) となるのですが
道幅を\(x\)として考えているのに、30という値は元の土地の大きさを超えてしまってますからね、問題の条件に合いません。
よって、\(x=3\) となります。
答え
$$3m$$
次のように道が増えることもあります。
だけど、基本通りに道を端に動かして考えればOKです。
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容積の利用問題
横が縦より5㎝長い長方形の紙がある。この紙の四隅から1辺が2㎝の正方形を切り取り、直方体の容器を作ったら、容積が100㎝³になった。はじめの紙の縦と横の長さを求めなさい。
$$容積=縦\times 横\times 高さ$$
容器を作ったとき、縦、横、高さになる部分を文字を使って表す。
長方形の紙の縦の長さを\(x\)㎝とすると、横の長さは\((x+5)\)㎝と表すことができます。
そこから四隅を切り取り、容器の長さを文字を使って表すと次のようになります。
容器の縦にあたる部分は、\(x-2-2=(x-4)\)㎝
容器の横にあたる部分は、\((x+5)-2-2=(x+1)\)㎝
容器の高さにあたる部分は、\(2\)㎝
以上より、容器の容積は \(2(x-4)(x+1)\) と表すことができます。
よって、次のように方程式がつくれます。
$$2(x-4)(x+1)=100$$
この二次方程式を解くと、\(x=9,-6\) となるのですが
紙の長さを\(x\)として考えているので、\(-6\)というのは問題の条件に合いませんね。
よって、\(x=9\) となります。
これにより、縦の長さが9㎝ということが分かったので、横は縦より5㎝長いということから14㎝であることが求まります。
答え
$$縦:9㎝ 横:14㎝$$
練習問題はこちら
>方程式練習問題【二次方程式の文章問題~箱の容積について~】
動点による三角形の利用問題
下の図のような一辺10㎝の正方形ABCDの辺上を動く2点P、Qがある。点Pは頂点Aは出発して、毎秒2㎝の速さで点Dに向かって動いていく。点Qは頂点Bを出発して、毎秒1㎝の速さで点Aに向かって動いていく。2点P、Qが同時に出発するとき、3点A、P、Qを頂点とする△APQの面積が16㎠となるのは何秒後か求めなさい。ただし、点Pが点Dに到達するまでのこととする。
動く点が進んだ長さを表す!
毎秒1㎝なら、\(x\)秒後には \(x\)㎝
毎秒2㎝なら、\(x\)秒後には \(2x\)㎝
\(x\)秒後に△APQは面積16㎠になるとする。
すると、辺APと辺AQは次のように表すことができます。
よって、三角形の面積は次のように表すことができます。
$$2x\times (10-x)\times \frac{1}{2}=x(10-x)$$
この面積が16㎠になるということから
$$x(10-x)=16$$
このように二次方程式をつくることができます。
この二次方程式を解くと、\(x=2,8\) となるのですが
点Pが点Dに到達するまでの時間は5秒なので、8秒というのは問題の条件に合いませんね。
よって、\(x=2\)となります。
答え
$$2秒後$$
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カレンダーの利用問題
ある月のカレンダーがあります。ある日の真上の数の二乗と左横の二乗の和が410になるとき、ある日の日にちを求めなさい。
カレンダーの日にちの位置関係をおさえておこう!
ある日を\(x\) と表すと、それぞれの位置にある日にちは次のように表せます。
ある日を\(x\)とすると、真上の日にちは\((x-7)\)、左横の日にちは\((x-1)\)と表すことができます。
「ある日の真上の数の二乗と左横の二乗の和が410になる」ということから
$$(x-7)^2+(x-1)^2=410$$
という二次方程式をつくることができます。
この二次方程式を解くと、\(x=18,-10\) となるのですが
カレンダーの日にちとして\(-10\)というのは、条件として間違っていますよね。
だから、\(x=18\) となります。
答え
$$18日$$
二次方程式の利用問題まとめ!
二次方程式の利用問題は、そこまでパターンが多くありません。
ここで紹介しているようなことをしっかりと理解していれば、入試問題であっても対応することができるでしょう(^^)
あとは、いろんな問題を解きながら理解を深めていってくださいね!
練習問題はこちら
>準備中