判別式というものを利用すれば、二次方程式の解の個数を調べることができます。
\(ax^2+bx+c=0\) の実数解の個数は、判別式 \(D=b^2-4ac\)を用いて
\(D>0\) のとき、異なる2つの実数解をもつ
\(D=0\) のとき、ただ1つの解(重解)をもつ
\(D<0\) のとき、実数解をもたない
このように解の個数を判別することができます。
この記事を通して以下のことが理解できます。
- 判別式ってなに??
- 判別式の使い方とその結果
- \(x\)の係数が偶数のときに使える判別式とは
判別式ってなに?
二次方程式って、解の公式を用いると解を求めることができるよね。
解の公式
\(ax^2+bx+c=0\) の解は
$$x=\frac{-b\pm \sqrt{b^2-4ac}}{2a}$$
なので、二次方程式の解は次のように表すことができます。
このように、2つの解を表すことができるんだけど
ルートの中身が0になってしまった場合にはどうなっちゃうだろうか。
このように、両方とも同じ解になっちゃったね。
解が重なって1つだけになったって感じ。
これを重解(じゅうかい)というよ。
つまり、解の公式のルートの中身が0になったときには、解は1つだけ(重解)の状態になるってことがわかるね。
それじゃ、ルートの中身がマイナスになったらどうだろう。
ルートの中身がマイナスだと…
う、頭が…(^^;)
こんなもの習っていませんね。
だから、このときには二次方程式の実数解はなし!となります。
(高校数学Ⅱではルートの中身がマイナスになる場合も学習するようになります)
このように、解の公式のルートの中身に注目することで、その二次方程式の解の個数を調べることができます。
なので、ルートの中身である \(b^2-4ac\) という部分を判別式とよんで、解の判別に利用していくのです。
\(ax^2+bx+c=0\) の実数解の個数は、判別式 \(D=b^2-4ac\)を用いて
\(D>0\) のとき、異なる2つの実数解をもつ(2個)
\(D=0\) のとき、ただ1つの解(重解)をもつ(1個)
\(D<0\) のとき、実数解をもたない(0個)
このように解の個数を判別することができます。
二次方程式の判別式の使い方!
それでは、実際に判別式を使って解の個数を調べていきましょう。
次の二次方程式の実数解の個数を調べなさい。
$$2x^2+4x+1=0$$
判別式\(D=b^2-4ac\) に当てはめて値を求めてみましょう。
二次方程式から、\(a=2, b=4, c=1\) ということが読み取れるので
$$D=4^2-4\times 2\times 1=16-8=8$$
となります。
判別式の値が \(D>0\) となったので
この二次方程式の実数解は2個あるということがわかりました。
次の二次方程式の実数解の個数を調べなさい。
$$9x^2+6x+1=0$$
判別式\(D=b^2-4ac\) に当てはめて値を求めてみましょう。
二次方程式から、\(a=9, b=6, c=1\) ということが読み取れるので
$$D=6^2-4\times 9\times 1=36-36=0$$
となります。
判別式の値が \(D=0\) となったので
この二次方程式の実数解は1個(重解)あるということがわかりました。
次の二次方程式の実数解の個数を調べなさい。
$$3x^2-6x+5=0$$
判別式\(D=b^2-4ac\) に当てはめて値を求めてみましょう。
二次方程式から、\(a=3, b=-6, c=5\) ということが読み取れるので
$$D=(-6)^2-4\times 3\times 5=36-60=-24$$
となります。
判別式の値が \(D<0\) となったので
この二次方程式の実数解は0個(実数解なし)あるということがわかりました。
以上が判別式の使い方でした。
ただただ、\(D=b^2-4ac\) の式に代入し値の符号をチェックするっていうだけですね。
判別式の練習問題はこちら
\(x\)の係数が偶数のときに使える判別式
\(ax^2+2b’x+c=0\) の判別式は
$$\frac{D}{4}=b’^2-ac$$
\(x\)の係数が偶数のときには、\(\displaystyle{\frac{D}{4}}\) という、ちょっとラク判別式を利用することができます。
上の公式を見ただけでは分かりにくいので、具体例を使って説明していきます。
次の二次方程式の実数解の個数を調べなさい。
$$4x^2-20x+25=0$$
$$\frac{D}{4}=(-10)^2-4\times 25=100-100=0$$
よって、二次方程式の解は1個(重解)となります。
ちょっと計算がラクですね!
\(x\)の係数が偶数であれば、2でくくり残った部分を\(b’\) とする。
そして、\(\frac{D}{4}=b’^2-ac\) に代入する。
二次方程式の判別式まとめ!
\(ax^2+bx+c=0\) の実数解の個数は、判別式 \(D=b^2-4ac\)を用いて
\(D>0\) のとき、異なる2つの実数解をもつ
\(D=0\) のとき、ただ1つの解(重解)をもつ
\(D<0\) のとき、実数解をもたない
このように解の個数を判別することができます。
また、\(x\)の係数が偶数のときには
\(ax^2+2b’x+c=0\) の判別式は
$$\frac{D}{4}=b’^2-ac$$
このようにちょっとだけラクに計算することもできます。
判別式は丸暗記ではなく、解の公式の一部なんだよってことを頭に入れておいてくださいね!