中学3年生で学習する二次方程式ですが
とにかく解き方が多い!
- 平方根を使った解き方
- 因数分解を使った解き方
- 解の公式を使った解き方
- 平方完成を使った解き方
今回の記事では、これらの計算方法についてイチから解説をしていきます。
それぞれの練習問題も用意しているので
この記事を通して二次方程式を完全マスターしちゃいましょう!!
この記事を通して以下のことが理解できます。
- 中学で学習する二次方程式の解き方
- どの解き方を利用すればよいのか見分け方
平方根を使った二次方程式の解き方
平方根を使った二次方程式の解き方
$$\begin{eqnarray}(xの式)^2&=&数\\[5pt](xの式)&=&\pm \sqrt{数} \end{eqnarray}$$
上のような式変形を行うことで二次方程式を解くことができます。
具体例を見てみましょう。
次の二次方程式を解きなさい。
$$x^2=5$$
これを上のポイントに当てはめてみると次のようになります。
$$\begin{eqnarray}x^2&=&5\\[5pt]x&=&\pm \sqrt{5} \end{eqnarray}$$
このように、簡単に答えを求めることができました。
しかし、なぜこんな式変形ができるのでしょうか。
\(x^2=5\) という式は、「\(x\)を二乗すると5になる」という意味です。
つまり、見方を変えると…
\(x\) は5の平方根だということが分かります。
2乗すると\(a\) になる数を \(a\) の平方根という。
\(x\) は5の平方根…
ってことは、\(x=\pm \sqrt{5}\) だということになるよね。
このように、二次方程式が \((xの式)^2=数\) という形になっていれば、\((xの式)\) は(数)の平方根であると考えることができます。
なので、ポイントで紹介したような式変形ができるってわけですね。
では、次の例題も見ておきましょう。
次の二次方程式を解きなさい。
$$(x+1)^2=5$$
こちらも平方根の考え方を使ってときます。
\((x+1)\) は5の平方根であると考えられるから
$$\begin{eqnarray}(x+1)^2&=&5\\[5pt]x+1&=&\pm \sqrt{5}\\[5pt]x&=&-1\pm \sqrt{5} \end{eqnarray}$$
このように解いていくことができます。
最後は、\(x=\cdots\) になるまで式を変形してください。
では、次の例題が最後!
次の二次方程式を解きなさい。
$$(x-2)^2=4$$
こちらも平方根の考え方を使ってときます。
\((x-2)\) は4の平方根であると考えられるから
$$\begin{eqnarray}(x-2)^2&=&4\\[5pt]x-2&=&\pm \sqrt{4}\\[5pt]x-2&=&\pm 2\\[5pt]x&=&2\pm 2\\[5pt]x&=&4, 0\end{eqnarray}$$
この問題では、最後の部分でちょっと計算がごちゃっとしましたねw
\(x=\cdots\) の形にしたとき、右辺が \(2\pm 2\) となりました。
この部分は、\(2+2=4\) と \(2-2=0\) ということなので
今回の二次方程式の解は、\(x=4,0\) となります。
右辺に数をまとめたとき、\(\pm\) の部分がまだ計算できるようだったら、忘れず計算してやりましょう。
二次方程式が、\((xの式)^2=数\) という形になっていれば平方根の考えを使って解きましょう。式変形は次の通り。
$$\begin{eqnarray}(xの式)^2&=&数\\[5pt](xの式)&=&\pm \sqrt{数} \end{eqnarray}$$
練習問題はこちら
因数分解を使った二次方程式の解き方
因数分解を使った二次方程式の解き方
$$A\times B=0$$
ならば
$$A=0 または B=0$$
この考え方を利用して
$$\begin{eqnarray}(xの式①)(xの式②)=0\\[5pt](xの式①)=0, (xの式②)=0 \end{eqnarray}$$
上のポイントがいっていることは簡単なこと。
この〇と□に入る数ってどんなのがあるか考えてみてください。
すると、いろいろと式ができあがるはずです。
$$\begin{eqnarray}2\times \color{red}{0}&=&0\\[5pt]\color{red}{0}\times (-5)&=&0\\[5pt]\color{red}{0}\times \color{red}{0}&=&0 \end{eqnarray}$$
などなど。このように掛け算をして答えが0になるような式に共通していること…
それは、式にかならず0が含まれているという点ですね!
この考え方を使うことで二次方程式を解くことができます。
では、例題を見ながら因数分解を使った解き方について確認してみましょう。
次の二次方程式を解きなさい。
$$x^2-x-6=0$$
お、なんだか因数分解できそうだな!
っていう式の場合には、今回紹介する解き方を使います。
まずは、左辺を因数分解します。
$$\begin{eqnarray}x^2-x-6&=&0\\[5pt](x-3)(x+2)&=&0 \end{eqnarray}$$
すると、この二次方程式は \((x-3)\) と\((x+2)\) を掛けたら0になる。
と、読み取ることができます。
上のポイントで紹介したように、掛け算をして0になるということは、必ず掛けている数のどちらかが0になるはずです。
つまり、今回の式でいうところ、\((x-3)\)と\((x+2)\) のどちらかが0になるということです。
よって、次のように解いていくことができます。
$$\begin{eqnarray}x^2-x-6&=&0\\[5pt](x-3)(x+2)&=&0 \\[5pt]x-3=0 または x+2&=&0\\[5pt]x=3 または x&=&-2\\[5pt]x&=&3, -2\end{eqnarray}$$
では、例題をもう1問見ておきましょう。
次の二次方程式を解きなさい。
$$x^2-6x=0$$
これも同様に、左辺を因数分解しましょう。
パッと見た感じ、因数分解できるっけ??
となり、戸惑う方もいますが思い出してください!
これは共通因数でくくるという因数分解ができますね!
$$\begin{eqnarray}x^2-6x&=&0\\[5pt]x(x-6)&=&0 \\[5pt]x=0 または x-6&=&0\\[5pt]x=0 または x&=&6\\[5pt]x&=&0, 6\end{eqnarray}$$
では、最後の例題です!
次の二次方程式を解きなさい。
$$(2x-3)(4x+1)=0$$
なんか、かっこの中の式が複雑…となりがちですが
これはラッキー問題です。
なぜなら…初めから因数分解されていて \(A\times B=0\) の形が出来上がっているから!
なので、戸惑うことなく基本通り解いていきましょう。
$$\begin{eqnarray}(2x-3)(4x+1)&=&0\\[5pt]2x-3=0 または 4x+1&=&0\\[5pt]x=\frac{3}{2} または x&=&-\frac{1}{4}\\[5pt]x&=&\frac{3}{2}, -\frac{1}{4}\end{eqnarray}$$
二次方程式が、因数分解できて \(A\times B=0\) の形に変形できる場合には、因数分解を使った解き方をしましょう。式変形は次の通り。
$$\begin{eqnarray}(xの式①)(xの式②)=0\\[5pt](xの式①)=0, (xの式②)=0 \end{eqnarray}$$
練習問題はこちら
解の公式を使った二次方程式の解き方
解の公式
\(ax^2+bx+c=0\) の解は
$$x=\frac{-b\pm \sqrt{b^2-4ac}}{2a}$$
解の公式は最強!
この公式を覚えておけば、どんな二次方程式でも解くことができます。
ただし、計算がめんどう…(^^;)
なので、平方根や因数分解の解き方ができない場合
仕方なく、解の公式を使って解くという位置づけになります。
では、解の公式を使った例題を見ていきましょう。
次の二次方程式を解きなさい。
$$x^2+4x+2=0$$
左辺の式を見ると、平方根の形になっていないし、因数分解をすることもできません…
こういう場合には、解の公式を使って解いていきましょう。
それぞれの係数を読み取り、\(a,b,c\) の値を決めます。
そして、これらの数を解の公式に代入すれば完成です。
$$\begin{eqnarray} x&=&\frac{-4\pm \sqrt{4^2-4\times 1\times 2}}{2\times 1}\\[5pt]&=&\frac{-4\pm \sqrt{8}}{2}\\[5pt]&=&\frac{-4\pm 2\sqrt{2}}{2}\\[5pt]&=&-2\pm \sqrt{2}\end{eqnarray}$$
解の公式を使うと、最後に約分が必要になる場合があります。
ここで計算ミスが起こりやすいので気を付けましょう。
次のように、片方だけ約分してしまうミスが多発してしまいます。
約分する場合には、このようにまとめて約分!!
解の公式は便利??
解の公式を覚えてしまえば、どんな二次方程式でも解くことができます。
なので、上で紹介してきたような平方根や因数分解を使って解いた二次方程式であっても、解の公式を使って解くことができます。
次の例題を因数分解を使って解く場合と解の公式を使って解く場合、それぞれの場合を比較してみましょう。
次の方程式を解きなさい。
$$x^2+6x+5=0$$
~因数分解を使って解く~
$$\begin{eqnarray}x^2+6x+5=0\\[5pt](x+5)(x+1)&=&0\\[5pt]x+5=0 または x+1&=&0\\[5pt]x=-5 または x&=&-1\\[5pt]x&=&-1, -5\end{eqnarray}$$
~解の公式を使って解く~
$$\begin{eqnarray} x&=&\frac{-6\pm \sqrt{6^2-4\times 1\times 5}}{2\times 1}\\[5pt]&=&\frac{-6\pm \sqrt{16}}{2}\\[5pt]&=&\frac{-6\pm 4}{2}\\[5pt]x&=&-1, -5\end{eqnarray}$$
どちらも解が同じになることが確かめられましたね。
だけど、因数分解を使った方が計算量が少なくてラク!
なので、二次方程式ではなるべく平方根、因数分解を使った解き方をする。
それらがどうしても使えない場合に、解の公式を使う。ということで頭に入れておいてください。
解の公式を使えば、どんな二次方程式も解けるぜ!
ってことで、解の公式を乱用してしまうと計算に手間取ってしまい大変な思いをすることになります(^^;)
それぞれの方程式にあった解き方を利用するようにしましょう。
二次方程式が、平方根や因数分解を使って解く方法が使えない場合に解の公式を使います。
解の公式は以下の通り。
\(ax^2+bx+c=0\) の解は
$$x=\frac{-b\pm \sqrt{b^2-4ac}}{2a}$$
練習問題はこちら
平方完成を使った二次方程式の解き方
二次方程式は、基本的には上で紹介してきたような
「平方根」「因数分解」「解の公式」
の3つの解き方を使っていきます。
ですが、これらに加えて上級者向けの解き方が存在します。
それが、平方完成というものです。
平方完成とは…
無理やりに平方(2乗)の形を完成させ、平方根の考え方を使って解こうぜ!
っていうものです。
平方完成の手順は以下の通り。
- 数を右辺に移項し、\((xの式)=数\) の形にする
- 左辺にある \(x\) の係数の半分の二乗を両辺に加える
- 左辺を因数分解すると、平方完成できあがり!
では、例題を通して平方完成を使った解き方を確認していきましょう。
次の方程式を解きなさい。
$$x^2+10x+16=0$$
手順① 数を右辺に移項し、\((xの式)=数\) の形にする
$$\begin{eqnarray} x^2+10x+16&=&0\\[5pt]x^2+10x&=&-16\end{eqnarray}$$
手順② 左辺にある \(x\) の係数の半分の二乗を両辺に加える
\(x\) の係数である10の半分は5。
5を二乗した数は25。
これを両辺に加えます。
$$\begin{eqnarray}x^2+10x&=&-16\\[5pt]x^2+10x\color{red}{+25}&=&-16\color{red}{+25}\\[5pt]x^2+10x+25&=&9\end{eqnarray}$$
手順③ 左辺を因数分解すると、平方完成できあがり!
$$\begin{eqnarray}x^2+10x+25&=&9\\[5pt](x+5)^2&=&9 \end{eqnarray}$$
これで平方完成のできあがり!!
\((xの式)^2=数\) の形をつくることができましたね。
こうなれば、平方根の考えを使って解いていくことができます。
$$\begin{eqnarray}(x+5)^2&=&9 \\[5pt]x+5&=&\pm \sqrt{9}\\[5pt]x+5&=&\pm 3\\[5pt]x&=&-5\pm 3\\[5pt]x&=&-2, -8\end{eqnarray}$$
このように、平方完成をすることで平方根の考え方を使って解くことができました!
これは発展的な解き方になりますが、頭に入れておくと知識の幅が広がり学力アップにつながるでしょう(^^)
平方完成をすることで、平方根の考え使って解くことができます。
平方完成の手順は以下の通りです。
- 数を右辺に移項し、\((xの式)=数\) の形にする
- 左辺にある \(x\) の係数の半分の二乗を両辺に加える
- 左辺を因数分解すると、平方完成できあがり!
練習問題はこちら
二次方程式の解き方まとめ!
\((xの式)^2=数\) の形になっている場合には、平方根の考えを使って解く。
$$\begin{eqnarray}(xの式)^2&=&数\\[5pt](xの式)&=&\pm \sqrt{数} \end{eqnarray}$$
因数分解して、\((xの式①)(xの式②)=0\) の形になる場合には、因数分解を使った解き方をする。
$$\begin{eqnarray}(xの式①)(xの式②)=0\\[5pt](xの式①)=0, (xの式②)=0 \end{eqnarray}$$
平方根、因数分解の解き方が利用できない場合には解の公式を使って解く。
\(ax^2+bx+c=0\) の解は
$$x=\frac{-b\pm \sqrt{b^2-4ac}}{2a}$$
それぞれの解き方を理解したら
二次方程式の練習問題に取り組んでいきましょう!