方程式を解くためには、いくつかの技を習得する必要があります。
それが以下のような式変形テクニックです。
そして、これらの式変形をマスターするためには『等式の性質』を理解する必要があります。
というわけで、今回の記事では等式の性質とは何か?移項のなぜ?について解説していきます。
この記事を通して以下のことが理解できます。
- 等式の性質とは何か
- 移項はなぜ符号が変わる?
- 等式の性質を利用して方程式を解く方法
等式の性質とは
等式では、以下のような性質が成り立ちます。
\(A=B\)ならば
- \(A+C=B+C\)
- \(A-C=B-C\)
- \(AC=BC\)
- \(\displaystyle{\frac{A}{C}=\frac{B}{C}}\) ただし,\(C\)は\(0\)でない
- \(B=A\)
等式とは、左辺と右辺がそれぞれ等しい式だったよね。
なので、両辺に同じ数を加えても、引いても、かけても割ってもそれぞれが等しいという関係は成り立つよ!って話だね。
等式の性質を利用して方程式を解く
上で紹介した等式の性質を利用することで方程式を解くことができます。
次の方程式を例題に考えてみましょう。
次の方程式を解きなさい。
$$2x-3=5$$
まずは、等式の性質①\(A+C=B+C\)を使います。
両辺に同じ数を加えても、等式は成り立つので
左辺にある\(-3\)の符号違いである\(+3\)を両辺に加えます。
$$\begin{eqnarray}2x-3&=&5\\[5pt]2x-3\color{red}{+3}&=&5\color{red}{+3}\\[5pt]2x&=&8 \end{eqnarray}$$
次に、等式の性質④\(\displaystyle{\frac{A}{C}=\frac{B}{C}}\)を使って、\(x\)の係数である\(2\)で両辺を割ります。
$$\begin{eqnarray}2x &=& 8\\[5pt]\frac{2x}{\color{red}{2}} &=& \frac{8}{\color{red}{2}}\\[5pt]x&=&4 \end{eqnarray}$$
このように、等式の性質を使って両辺に足したり引いたり掛けたり割ったり…いろんな変形を加えながら\(x\)の値を求める。
これが方程式を解くということなのです。
だけど、正直…ちょっとめんどかったよね?
これから何度も方程式を解いていかなくてはならないのに、毎回このような変形をしていくのは大変。
ということで、少しでも式変形をラクにしようぜ!ってことで移項という式変形のテクニックを身につけていきましょう。
移項ってなに?なぜ符号が変わる?
このように等式の性質を利用して、両辺に同じ数を加えることで左辺にあった\(-3\)を消すことができました。
この変形って、結果だけを見ると
このように、数が符号を変えて反対側に動いたように見えるよね。
これを移項といいます。
項が移動したように見えるよね。だから移項!
これは等式の性質によって、左辺にあった\(-3\)を消すために符号がチェンジした\(+3\)を両辺に加えたことによって、できあがった式変形です。
だから、移項すると符号が変わってしまうのですね。
移項の例
$$\begin{eqnarray}x+4&=&5\\[5pt]x&=&5\color{red}{-4}\end{eqnarray}$$
$$\begin{eqnarray}x-3&=&1\\[5pt]x&=&1\color{red}{+3}\end{eqnarray}$$
$$\begin{eqnarray}2x&=&-3x+10\\[5pt]2x\color{red}{+3x}&=&10\end{eqnarray}$$
一方の辺にある項を、符号を変えてもう一方の辺に動かすこと。
ただし、気を付けておきたいことがあります。
このように移項ができるのは項だけです。
係数部分を移項させることはできません。
係数を反対側に持っていきたい場合には、両辺を割りましょう。
等式の性質を使って方程式を解く練習問題はこちら
等式の性質まとめ
\(A=B\)ならば
- \(A+C=B+C\)
- \(A-C=B-C\)
- \(AC=BC\)
- \(\displaystyle{\frac{A}{C}=\frac{B}{C}}\) ただし,\(C\)は\(0\)でない
- \(B=A\)
等式の性質は、方程式を解いていくためにはとても大事な知識です。
しっかりと頭に入れておきましょう。
また、等式の性質を理解したうえで
移項、両辺を割る
といった式変形も使いこなせるようにしておきましょう。
等式の性質をマスターしたら、いよいよ方程式を解きまくるという段階に入っていきます。